- 2025-1-17
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スマートフォンやパソコン、多くの家電製品を日常的に使用する現代では「回路設計」の需要が増えています。回路設計とは、機器の中に組み込まれた電子回路の設計を担う仕事のことです。DX化やIoT化の推進、AIの普及などを背景に、回路設計の重要性は高まっています。
この記事では、回路設計の仕事内容や転職市場の動向、求められるスキル、転職時の注意点などを解説します。
回路設計とは
回路設計は、機器に内蔵された電子回路を設計・製造する仕事です。ここでは、回路設計の仕事の流れを簡単に見ていきましょう。
・設計者との打ち合わせ
仕様書を参考にしながら製品設計者と打ち合わせを行い、電子回路に使用する部品や回路の性能、システム設計などを決定します。
・回路/基板設計
システム設計の内容を基に、プログラミングを行って回路や基板の設計をします。基板上のレイアウトを作成する際は、回路図作成ツール(CAD/EDA)を用いることが一般的です。
・シミュレーション
実際に製造する前に、コンピュータ上で電子回路のシミュレーションを行います。正常に動作しない場合は問題点を洗い出し、回路を修正します。
・試作品の製作とフィードバック
シミュレーションで問題がなければ、実際に試作品を作り、テストをします。問題点があればフィードバックし、改善します。これを繰り返して最終的な製品を作り上げます。
回路設計には、大きく分けて「アナログ回路」と「デジタル回路」があり、扱う信号の種類が異なります。回路設計エンジニアは、アナログ回路とデジタル回路の両方の知識があると望ましいですが、どちらかをコアスキルとして身につけることが多いです。
デジタル回路設計の魅力、今後の市場
デジタル回路設計は、「0/1」のデジタル信号で動く電子回路を設計する仕事です。デジタル回路設計では「EDA」というツールを用いることで、回路の配置、配線などの計算を一部自動化できるようになりました。そのため、実務経験が少なくても設計しやすくなっています。
デジタル回路は、スマートフォンやタブレット、家電製品をはじめ、自動車や医療、航空宇宙などの幅広い分野で必要とされています。デジタル回路設計は人々の生活に欠かせない仕事の1つであり、社会を支えるやりがいを感じられるでしょう。
以前はアナログ回路設計が主流でしたが、デジタル化が進んだ現代ではデジタル回路設計の需要が増えています。
アナログ回路設計の魅力、今後の市場
アナログ回路設計は、デジタル回路と異なり、連続した電圧信号を扱う仕事です。デジタル回路とアナログ回路の両方を搭載した製品も多く、現代でもアナログ回路設計は機器の製造に不可欠な仕事です。電気や電波、音などの連続的な信号をアナログ回路が調整し、デジタル信号に変換します。
デジタル回路設計と比べて、アナログ回路設計はツールで補えないことが多く、経験の多さやセンスが重視されます。電気・機械系の学生が減少傾向にあることなども背景に、アナログ回路設計エンジニアは減りつつあり、希少価値が高くなっています。
電子機器にはデジタル回路とアナログ回路の両方が必要なことから、アナログ回路設計の求人数も増加傾向にあります。
回路設計の求人トレンド
近年ではDX化やIoT化が進み、AIなどの最新技術の活用も進んでいます。その結果、身の回りの多くの機器に電子回路が搭載されるようになりました。技術が進歩する速度も目覚ましく、新たな製品がどんどん開発されています。
電子機器分野全体が活発になっていることから、回路設計へのニーズも高まっています。この流れは当分続くと見られるため、回路設計の仕事は将来性が高いと言えるでしょう。
現在開発されている電子機器の多くは、デジタル回路とアナログ回路の両方を搭載しているため、どちらの求人数も増加傾向です。全体を見ればデジタル回路の割合が多いものの、アナログ回路の求人も増えています。
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回路設計の転職で求められる人物像とスキル
回路設計への転職を希望する方は、求められる人物像やスキルを把握しておきましょう。ここでは、回路設計エンジニアに必要なスキル、あると有利なスキルをご紹介します。
回路設計に関わる専門知識
回路設計は専門知識が必要とされる仕事です。具体的には、回路理論、電子回路、電磁気学、制御工学、CADなどの知識・スキルが求められます。独学でこれらの知識を身につけることは難しく、大学の該当学部卒や工業高校卒、専門学校卒といった学歴を持っていることが前提となります。
ただし、回路設計エンジニアは経験がものを言う仕事であるため、中途採用の場合は、学歴のみならず実務経験も求められるでしょう。また、デジタル回路設計の場合はプログラミングスキルも必要です。
コミュニケーション能力・集中力
回路設計は、製品の機械設計者をはじめ、他のさまざまな部門と連携しながら進めます。回路設計エンジニアは、製品に求められる要素をキャッチアップし、設計に落とし込む必要があります。そのため、円滑にコミュニケーションを取るスキルが求められるでしょう。
さらに、回路設計の仕事では細かい作業をコツコツと進めながら、「シミュレーション→問題点の洗い出し→改善」というサイクルを繰り返します。こうした作業が苦にならない集中力も必要です。
資格
回路設計エンジニアに必須とされる資格はありませんが、以下のような資格を取得しておけば、業務やキャリアアップに役立つでしょう。
・EMC設計技術者資格
・CAD利用技術者試験
・各種プログラミング資格(デジタル回路設計の場合)
これらの資格があれば、回路設計エンジニアとして重要な知識やスキルを持つ証明になり、キャリアアップにつながります。また、資格の勉強を進める中で新たな知識・技術を習得でき、スキルを磨くことができます。
最新知識を学ぶ意欲
電子機器分野は日々進歩し続けています。この分野に携わる回路設計エンジニアを目指すなら、最新知識や技術についてアンテナを張り、積極的に学ぶ姿勢を持ちましょう。具体的には、業界ニュースをこまめにチェックする、書籍を読む、業界動向に関するセミナーを受ける、などの方法があります。新しい知識を生かすことで、さらに良質な製品を生み出すことができます。
回路設計の転職時の注意事項
回路設計エンジニアに転職したいと考えている場合は、いくつかの注意点もあります。
回路設計は専門性が高いことから、未経験者が採用されにくい職種です。回路設計エンジニアの多くは、大学や工業高校、専門学校で電気工学、電子工学、情報工学などを学んでおり、ベースとなる知識がすでに身についた状態で就職します。未経験から回路設計を目指したい場合は、専門学校に入学して必要な専門知識を学習するのが一般的です。
しかし、メーカーなどで技術職として経験を積んでいれば、転職活動で一定の評価が得られるでしょう。モノづくりの経験がある方は積極的にアピールすることをおすすめします。
一方で、回路設計エンジニアの方が他社へ転職する場合は、同じく電子回路を扱う企業に転職することが一般的です。回路設計はその専門性の高さゆえ、スキルを活かしてプロジェクトリーダーやスペシャリストを目指すことができます。他社に転職したい場合は、前職で開発した製品や保有スキルを整理し、経験と実績をアピールしましょう。
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回路設計の仕事への転職を成功させるためには、専門知識や経験がカギを握ります。また、その経験や知識、スキルをいかにアピールするかも重要です。さらには、進歩が目覚ましい業界だからこそ、常に最新の業界動向をキャッチしておく必要があります。
これらの準備を全て求職者1人で進めるのはかなり骨が折れます。そこで、ぜひ転職エージェント「メイテックネクスト」をご活用ください。
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まとめ
スマートフォンから家電、自動車、医療機器まで、生活のさまざまな場面で欠かせない電子回路。回路設計エンジニアはこれらの製造の根幹に携わり、大きなやりがいを感じられる仕事です。デジタル化が進むにつれ、回路設計エンジニアのニーズも高まっています。
回路設計エンジニアになるためには、ポイントを押さえて転職活動を進めなければなりません。回路設計エンジニアを目指したい方は、ぜひメイテックネクストにご相談ください。
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fabcross for エンジニア 編集部
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