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退役戦闘機のエンジン部品を3Dプリントの原料にリサイクル 英Rolls-Royce

英Rolls-Royceは2025年2月7日、退役軍用機をリサイクルする「Tornado 2 Tempest」プロジェクトの一環で、Tornado戦闘機のジェットエンジン部品から3Dプリント用の粉末金属を生成し、同社の小型エンジンコンセプト「Orpheus」の部品を製作すると発表した。

Orpheusは、Future Combat Air System(FCAS)プログラムの一部であり、同社はこの技術を、防衛部門の戦略的成長を目指す「Grow Combat」戦略の要と位置付けている。同技術は、次世代Tempest戦闘航空プラットフォームに使用される可能性がある。

国防省(Ministry of Defence:MOD)が保有する予備部品や故障部品などの余剰資産は、高品質の鋼鉄、アルミニウム、チタンなどの戦略的金属を含んでいる。Tornado 2 Tempestチームは、これらの部品の一部を粉末の原料にして、部品の製造に使用する方法を特定するために召集された。

ジェットエンジンのコンプレッサーブレードなど、チタンを大量に含むTornadoの部品は、
洗浄後にアトマイズ処理によって粉末原料となる。同社は、3Dプリント用材料としてOrpheus用のノーズコーンとコンプレッサーブレードを製造した。

同社は、3DプリントしたノーズコーンをOrpheusの試験用エンジンに取り付けて、試験条件下で作動させた。将来の使用に対する部品の適合性と安全性を検証し、良好な結果を得た。

プロジェクトを主導した国防省関係者によると、このソリューションは、重要で高価値の金属を調達するコストと負担を軽減する。さらに、従来の鍛造技術で作られたものよりも軽量で強度があり、長持ちする部品を製造することができる。

関連情報

TORNADO 2 TEMPEST recycling project off to flying start | Rolls-Royce

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