- 2021-11-26
- エンジニア調査, 制御・IT系, 化学・素材系, 機械系, 電気・電子系
- AR, CAD, CAE, EDA, JIS, Microsoft Teams, VR, web会議システム, ZOOM, シミュレーションソフト, セールスフォース・ドットコム, テレワーク, ビジネスチャット, リモートアクセス(VPN接続), 製造業系エンジニア
- 製造業系エンジニアがテレワークで定番ツール以外に使用しているのは「CAD」や「CAE」などの設計・シミュレーションツール
- テレワークでものづくりに必要なツールは? 設計ツールのリモート利用と、それに耐えるスペックのPC
- クラウドCAD、CAEとソフトをスムーズに動かせるPC、大画面モニタに高速回線。効率的なテレワークには作業環境の整備が重要
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む20~59歳のテレワークを行っている製造業系エンジニア496人を対象に、「テレワーク(在宅勤務)」に関するアンケート調査を行いました。
前回調査において、製造業系エンジニアの52.9%がテレワークでものづくりは可能だと考えていることが分かりました。実際に昨年と比べてエンジニアのテレワーク率は上がっているという結果が出ています。
テレワークでのものづくりに欠かせないのがデジタルツールやオンラインサービスです。会社と同程度の環境を自宅に構築することはコストやスペースの都合で難しいかもしれませんが、円滑に業務を進めるためには欠かせないツールやサービスもあります。
テレワークを行っている製造業系エンジニアが業務に使っている、また必要だと考えているツールやサービスについて担当業務フェーズ別に調査しました。
調査結果サマリー
製造業系エンジニアがテレワークで定番ツール以外に使用しているのは「CAD」や「CAE」などの設計・シミュレーションツール
・東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)在住のテレワークを行っている製造業系エンジニア496人を対象に9月17日~24日に行ったアンケート調査の結果、テレワーク(在宅勤務)で実際に使用しているツールやサービスで最も多かったのは「web会議システム」(420票)、2位は「リモートアクセス(VPN接続)」(277票)、3位は「ビジネスチャット」(239票)だった。
・496人中420票を獲得していることから、8割を超える製造業系エンジニアがテレワークにzoomやMicrosoft Teamsなどのweb会議システムを使用していることが分かった。
・上位1~6位は一般的にテレワークで使用されるツール・サービスがランクインしている。
・担当業務フェーズ別の集計では、どの担当においても同じく上位5位に関してはテレワーク定番のオンラインツールが並んだ。
・6位以下では「CAD」「CAE」「設計ツールのリモート利用」など、設計・シミュレーションツールがどの担当フェーズでもランクインしている。
テレワークでものづくりに必要なツールは? 設計ツールのリモート利用と、それに耐えるスペックのPC
・製造業系エンジニアがテレワークでものづくりを実現するために、どんなツールやサービスが必要だと思うか聞いた。1位は「web会議システム」(420票)、2位は「リモートアクセス(VPN接続)」(284票)、3位は「ビジネスチャット」(230票)となった。
・テレワークに使っているツール・サービス同様に上位6位までは一般的にテレワークで使用するようなツール・サービスが並んだが、以下は「設計ツールのリモート利用」(144票)、「設計開発ツールの自宅利用に耐えるPCの用意」(129票)、「CAD」(125票)、「工場の自動化」(69票)といった製造業系エンジニア特有の項目がランクインしている。
・担当業務フェーズ別に集計した結果、上位5位までは全体での集計と同じく、一般的にテレワークで使用するツールやサービスが上がった。
・6位以下に関しては、企画構想、設計開発で「遠隔監視や遠隔操作技術の導入」、研究では「CAE」、評価・試験、生産・製造では「工場の自動化」といった、それぞれの担当フェーズごとに必要な項目が選ばれている。
クラウドCAD、CAEとソフトをスムーズに動かせるPC、大画面モニタに高速回線。効率的なテレワークには作業環境の整備が重要
・テレワークをより効率的に行うために、今後導入したいツールやサービスはあるか聞いたところ、回答の傾向としては主にソフト、通信回線、セキュリティ、モニタ、PCスペック、管理ツール、共有、コミュニケーション、ツールに分かれた。
・生産・製造の現場でのテレワークは技術的にまだ数年かかりそうといった意見がある一方で、テレワーク導入には限界があるが、業務の半分以上は会議なのでリモートで対応できるといったコメントもあった。
・ツールやサービスよりも上司の理解が進んでいないといった声も。
【ソフト】
• ネットワークが途切れても強制ログオフせず、サスペンド及びレジュームできる設計ツール(51歳)
• シミュレーションツールを充実させたい(55歳)
• ライセンスやセキュリティの関係で開発ツールが自宅で使用できない(57歳)
• クラウドCAD、CAEを利用して効率化していきたい(53歳)
• 家でもシミュレーションと設計にラグがないソフト(31歳)
• 設計や開発で必要なツールのクラウドサービス(26歳)
• テレワークはコロナ禍前より実施されている。問題は、開発ツールがセキュリティやライセンスの関係で自宅では使用できない。自宅のPCにそれに耐えるほどのスペックがない。ワークステーションのような高額なPCとツールや専用のスペースが必要になり、結局自宅で進めるには限界がある(45歳)
【高速通信回線・セキュリティ】
• 高速で安定している通信(45歳)
• 社内クラウドに高速アクセスできる環境整備(41歳)
• CAEを行うための、高速ネットワーク環境の導入を検討したい(55歳)
• モバイル通信の高速化(52歳)
• データ転送の高速化は急務なので、自宅のWi-Fi環境の強化はしたいです(48歳)
• 自宅から安全に社内サーバにアクセスできるシステムを構築してほしい(32歳)
• セキュリティの強化(59歳)
【大画面モニタ】
• 自宅用の大画面モニタ(56歳)
• 自宅でも大きなディスプレイを使用したい(52歳)
• 自宅で場所を取らないが、見やすいディスプレイがほしい(50歳)
【PCスペック】
• 高性能なモバイルPC(39歳)
• CADに耐えられるスペックのPCが必要(30歳)
• CADソフトをスムーズに動かせるなど、ハード面の強化されたPC(56歳)
【プロジェクトや勤怠などの管理ツール】
• 進捗管理システムの導入(48歳)
• 部内の各プロジェクトの進捗状況が可視化できるようなシステムを導入したい(52歳)
• マネジメント層がメンバーの勤怠を管理できるツールが必要(48歳)
• 長時間労働を抑制する仕組み(53歳)
• 購買申請や出張等の精算の完全オンライン化(47歳)
【共有・コミュニケーションツール】
• 画面共有でEDAを推進(49歳)
• クラウド共有機能を活用してチームで作業ができる(48歳)
• ホワイトボードの共有化による議論の促進(45歳)
• 従業員の作業内容をクラウドシステムで管理し、リアルタイムで共同作業を行えるようにする(44歳)
• VRによる電話会議の導入(56歳)
• あたかも隣に座っているようなバーチャルオフィス(53歳)
【ツール】
• 評価試験の遠隔化(46歳)
• 遠隔操作システムでものづくりをしてみたい(36歳)
• 仕事に必要な機器を自宅で使えるようレンタルできるサービス(53歳)
• 図面確認やチェック用のタッチパネル(36歳)
• JIS等の技術情報を見ることができる設計バンドブック(43歳)
• セールスフォース・ドットコムの導入、クラウドベースの情報管理と工場の全自動化在庫管理システムの導入(35歳)
• 会社の中の好きな場所やモノを自由にカメラで撮影し、動画で見ることができる(38歳)
• 試作品を高画質で撮影して共有できるようなツールがあると非常にありがたい(46歳)
• ARを使ったリモート操作(58歳)
• ものづくりのために、現物をバーチャルで確認できるシステム(50歳)
【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2021年9月17日~24日
対象:東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む20~59歳の製造業系エンジニア496名