リチウムイオン電池の負極用水系バインダーを開発――リチウムイオン電池長寿命化に寄与 DIC

リチウムイオン電池の負極用水系バインダーを開発――リチウムイオン電池長寿命化に寄与　DIC

DICは2023年4月11日、リチウムイオン電池の負極用水系バインダー「WATERSOL（ウォーターゾール）-LB」を開発したと発表した。既にサンプルワークを開始している。

負極バインダーは、リチウムイオンが出入りする負極材料や活物質、補助添加剤、集電体を結着させる接着剤の役割を担うものだ。電極の機械強度や電池性能に影響する。

従来の負極用バインダーは、高温や低温環境で劣化しやすいほか、高容量化のためのシリコン系活物質の膨張収縮に対応しづらいといった点が課題となっていた。

アクリル系合成樹脂バインダーのWATERSOL-LBは、溶剤系と比較して製造時の環境負荷が低い。また、同社従来品と比べて、高温下（45℃）や低温下（−10℃）での充放電時の容量維持が数倍改善した。

加えて、リチウムイオン電池の内部抵抗を低減できるため、さまざまな容量帯の負極材に適応可能。リチウムイオン電池の長寿命化に寄与する。

同社は今後、日本に加えて中国や米国、欧州地域での販売を視野に入れた供給体制を確立する。2025年の売上高10億円を目標に掲げている。