- 2017-3-23
- 医療機器, 半導体・電子部品, 技術・スキル市場分析, 機械・プラント, 転職・キャリアアップ, 電機・家電
- GE, オリンパス, ソニー, テルモ, ディスコ, パナソニック, ブラザー工業, 三菱重工, 三菱電機, 川崎重工業, 東京エレクトロン
本コラムは、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・河辺真典氏からの寄稿です。旬のキーワードを取り上げ、エンジニアのキャリア形成に役立つ情報を発信していきます。
直近の製造業エンジニアの転職市場について、前回は自動車業界の状況をお伝えしました。
今回は家電、電子部品・電池、工作機械・ロボット、航空機、医療機器といった業界について取り上げていきましょう。
エアコン、テレビなどで採用が活発な家電業界
家電業界の中で、採用が活発なのはまずエアコンです。高度なセンサーや画像処理を応用した国内向けの高機能機や成長力のある新興国ニーズへの対応に向け家庭用エアコンの分野で、パナソニックや三菱電機が積極的に採用しています。
エアコンに加え、パナソニックは自動車に搭載するインフォメーションシステムを開発するエンジニアを、三菱電機は通信インフラから人工衛星まで幅広い分野でエンジニアを求めています。
黒物家電に目を向けると、ソニーがテレビを中心としたコンシューマー製品に携わるエンジニアをここ2年ほど継続採用しています。
自動車と同様、家電業界でもエンジニアの採用ニーズは高い状況が続いています。
電子部品や電池の分野では、IoT用センサデバイスに必要な素材の開発といった求人が目立つようになってきました。
これまでは、従来のセラミックコンデンサを量産するための生産技術系のエンジニア採用が中心でしたが、新素材や先端デバイスの開発に軸足が移ってきた印象です。
好不調が分かれた工場関連。工作機械はトーンダウン、ロボットは好調
工場を支える機械・装置のメーカーについては、若干、好不調が分かれています。
ややトーンダウンしているのは、工作機械メーカー。ただ、ブラザー工業は小型旋盤関連の求人を出していますし、特徴を持つ工作機械を作っているメーカーは堅調に採用を続けています。
逆に好調なのは、ロボットなどの工場自動化に向けた設備のメーカーです。「工作機械」よりは、「工作機械Aと工作機械Bの間をつなぐロボット」のような専用機の求人の方が目立ちます。
ですから、ロボット関連、空圧機器、アクチュエータなどを活用した機器の開発の求人が豊富です。またそうした機器を組み合わせて、工場全体を設計するエンジニアリング会社の求人も多いです。
半導体にしても、東京エレクトロンやディスコなど、最先端の半導体製造装置を開発するエンジニアの募集は動いています。
●航空機、医療機器も活発。キャリアチェンジ、キャリアアップしやすい環境に
航空機関連についても、三菱重工や川崎重工業といった大手企業が求人は出しています。ただ、それ以上に採用が活発なのは、部材メーカー。航空機関連部品の製造技術を持つエンジニアは引く手あまたです。
医療機器にしても、オリンパス、GEなどの大手企業が人材を求めています。カテーテルなどの医療機器に強いテルモなども積極採用を長期間にわたって続けていますので、キャリアチェンジやキャリアアップを実現しやすい市場環境となっています。
河辺 真典(メイテックネクスト 執行役員)
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