アグリテックと転職の今後の展望、量産化とグローバル化が若手へのチャンスに[農業の未来を担うアグリテック]

メイテックネクスト 代表取締役社長 河辺真典氏(左)と、東京営業部モビリティグル―プ 杉山直紀氏(右)


~ 大きく注目を集めつつある「アグリテック」に関する最新事情をエンジニアリングの視点から読み解く~

本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストの代表取締役社長 河辺真典氏と、東京営業部モビリティグル―プの杉山直紀氏への取材を通じて、アグリテックの最新事情をお伝えしていく連載記事です。

第1回目「日本の農業が抱える課題」、第2回目「アグリテックの課題と動向」、第3回目「アグリテックに必要なエンジニアスキル」、第4回目「アグリテック企業への転職成功事例」と、農業に関わるエンジニアのキャリア形成に役立つ情報をお届けしてきました。

今回で第5回、最終回となる本記事では、「アグリテックと転職の今後の展望」について、お話を伺います。(執筆:後藤銀河)


――アグリテックの将来性について、お考えをお聞かせください。

[河辺氏]出来るだけ農薬を減らす、緻密にアプローチするといった、日本人の嗜好や農地に合わせた日本の農業に対し、欧米の大規模農場では、どちらかというと遺伝子組み換え技術を使って、農薬に強くて収穫量の多い作物を開発するといった、ざっくりとしたアプローチ。

日本で狙っているスマート農業は、この従来の日本の農業をどうスマート農業に置き換えるのかがテーマとなります。例えばドローンで耕作地をミクロに分析して、最適な農薬散布を行い、収穫量を高めていくなど。これが当面のアグリテックの狙いになります。

国内中心から世界のトップレベルを狙う

[河辺氏]スマート農業を諸外国に先駆けて進めることで、欧米などの大耕作地帯を管理している農業でも必要になる技術が出てくるはずです。まず技術で先行しようという戦略で、世界トップレベルのスマート農業を実現するために、各社が社会課題である耕作地問題に取り組んでいる。前回紹介した事例では、ドローンを使った画像認識、画像解析が中心でしたが、さらに少量でも効果がある農薬の開発だったり、作物を傷めないように最適な制御で収穫するロボットだったり、いろいろな会社がこのアグリテックに向けて動いてくるはずです。

これまでラジコンヘリや人工衛星画像くらいしかなかったところに、ドローン技術が入ってきたことで、ミクロなコントロールが可能になりました。農業を見える化できる部分が広がったことで、先行優位を目指して一気に加速しているイメージだと思います。

[杉山氏]今はセンシングの技術も高くなっていて、土壌の水分量や酸性度を計測するデバイスも登場しています。センシング技術、画像解析技術、移動手段、コントロール手段ができてきているので、次はこれをシステムとして統合することになります。そして、データを解析すると同時に、得られた結果をフィードバックすることで、普遍的なスマート農業の普及が実現できると思います。

――今後必要となってくる技術領域は?

[杉山氏]作物の育成についてのコアテクノロジーをもったベンチャーも出てきています。今後は収穫に注目する企業も増えていくでしょう。ロボットを活用するケースが多いので、次の傾向としてはロボットエンジニアではないでしょうか。

実際、一部の大手企業でも収穫ロボットの求人が入ってくるなど、動きも出ています。ロボット活用のためのコアとなる、機械系、電気系、制御系エンジニアの求人は、今後絶対に出てくると見ています。

[河辺氏]前回、求人のターゲットは40~50歳と言いましたが、今後2、3年で量産が広まってくると、20歳台も含めて採用のターゲットに入ってきます。アグリテックには、国策として2025年という明確な目標がありますから、一気に普及するでしょう。このスピード感は、今までのものづくりとは全く違います。若くても採用されるチャンスがあれば、第一線で活躍するという相当な面白さがあると思います。

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河辺 真典(代表取締役社長)
生産技術エンジニアとして5年・リクルートエージェントで8年の勤務経験あり。
弊社のコンサルタントは、転職支援のノウハウと業界・技術知識の両方に長けております。
その上で、単に転職先を決めるだけでなく、
転職先でご活躍いただく「失敗しない転職」をご支援するように心がけております。


杉山直紀(メイテックネクスト 東京営業部モビリティグル―プ)
前職は輸入車ディーラーの営業を経験。入社後は一貫して企業向けの営業を担当。
現在は自動車業界向けのチームに所属。自動車業界と合わせドローン等の新しい技術領域のスタートアップ企業も担当。
日々新しい技術が生まれる中で、エンジニアの皆様が真に納得していただける転職を
サポートしたいと思います。



ライタープロフィール
後藤 銀河
アメショーの銀河(♂)をこよなく愛すライター兼編集者。エンジニアのバックグラウンドを生かし、国内外のニュース記事を中心に誰が読んでもわかりやすい文章を書けるよう、日々奮闘中。


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