- 2020-2-5
- 技術ニュース, 電気・電子系
- ナノ材料, ナノ空間, ポールサバティエ大学, マグネシウム電池, 京都大学, 東京農工大学, 研究, 立命館大学, 電極材料, 高輝度光科学研究センター
立命館大学生命科学部、東京農工大学大学院工学研究院の研究グループは2020年1月29日、フランスのポールサバティエ大学、京都大学、高輝度光科学研究センターと共同で、次世代マグネシウム電池に適用可能なマグネシウム二次電池用電極材料を開発したと発表した。
マグネシウムイオンを用いたマグネシウム二次電池は、理論的には高い性能と安全性を有しているものの、材料中でのイオンの動きが遅く実用的な運転条件を満たすことに難点があった。
同研究グループは、カーボンと複合化させたナノ材料を合成することにより、材料中に歪みを導入させたナノ空間を活用した電極構造を設計した。マグネシウム二次電池で室温付近でも数時間の充電、放電ができることを実証した。
解析はSPring-8で高エネルギーX線を用いて行われた。今回開発された材料の構造は、結晶体とアモルファス体との中間状態のような構造であり、固体内でのマグネシウムイオンの拡散を促進させる効果を有する。
同研究グループは材料のさらなる高性能化を進めるとともに、マグネシウム二次電池の製品化を目指す。