水分量で形が変わる、羊毛由来の3Dプリント可能な形状記憶繊維を開発

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ハーバード大学ジョンA.ポールソン工学応用科学部(SEAS)の研究チームは、3Dプリント可能な形状記憶繊維を開発した。繊維産業で廃棄される羊毛から抽出したケラチンをベースに作るため、環境にも優しい。スマート衣料や医療デバイスなどの利用を見込む。研究成果は、2020年8月13日付けの『Nature Materials』に掲載されている。

ケラチンの形状記憶能力のカギは、その階層構造だ。らせん状のαヘリックス構造と、らせんが解けたβシート構造間の水和反応を利用している。3Dプリンターで元となる形を作製し、特殊な溶液で形状を記憶させる。それを水に浸して伸ばし、違う形にしてから乾燥させるとそのまま固まる。元の形に戻すときは、再び水に浸せばよい。

公開された動画では、筒状に丸めたシートが水に触れた後、元の風車の形に戻っていく様子が確認できる。

「3Dプリントと形状記憶という2つの工程のおかげで、ミクロンレベルの構造特性を持った複雑な造形が可能になる」と、筆頭著者であるLuca Ceraポスドク研究員は語る。

研究が進めば、湿度に応じて開閉する通気孔のついたTシャツや、着る人のサイズに合わせて伸縮するフリーサイズの服が作れるかもしれない。さらに、衣類だけでなく再生医療など幅広い分野への適応が期待できる。

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Wool-like material can remember and change shape

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