高速変調が可能なマイクロ偏光熱光源を開発――カーボンナノチューブ配向膜を活用 慶應義塾大学と米ライス大学

慶應義塾大学は2023年10月27日、米ライス大学と共同で、カーボンナノチューブ配向膜を用いて、高速変調が可能なマイクロ偏光熱光源を開発したと発表した、

偏光を用いた分光分析技術は、さまざまな分野で活用されており、特に化学物質同定やバイオ分析、創薬などの分野では重要な技術だ。偏光分光分析では、広い波長帯域を持つ偏光熱光源が必要で、さらに高感度な分析のためには、高速で変調できることも必要になる。

一般的な偏光熱光源であるレーザー光源では、高速変調は可能だがスペクトルが狭線幅なため広波長範囲の分析ができない。広波長範囲の分析には、白熱電球などと偏光板を組み合わせて、さらに光変調機器を用いて変調可能な偏光熱光源を作り出すが、変調速度が数kHz程度の低速になる。また、機器全体が大型なため、小型化や集積化ができないという課題もあった。

今回の研究では、ナノマテリアルである「カーボンナノチューブ配向膜」に着目。カーボンナノチューブ配向膜は、カーボンナノチューブを同一方向に配列、積層して単結晶のような状態にしたもので、高密度にカーボンナノチューブが充填されているのが特徴だ。

今回のそのカーボンナノチューブ配向膜を用いて、1μm四方の発光面を持つ電気駆動の熱発光デバイスを作製。同デバイスでは20MHz程度の高速変調が可能なことを確認した。シミュレーションによる解析では、カーボンナノチューブ配向膜の配向方向における高い熱伝導特性が、高速変調を実現していることが分かった。

今回開発した技術により、広波長、高速変調の偏光熱光源をワンチップ上で集積化が可能になり、材料開発やバイオ分析、創薬などのさまざまな分野での応用展開が期待されるという。

関連情報

高速な変調を可能とするマイクロ偏光熱光源を実現-偏光を用いた分析・センシング技術への応用が期待-:[慶應義塾]

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