- 2024-11-28
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- SiC, SiC結晶, SinTaC, パワー半導体, ルツボ, 厚膜コーティング技術, 炭化ケイ素, 炭化タンタル, 結晶生成, 豊田中央研究所, 黒鉛ルツボ
豊田中央研究所は2024年11月27日、パワー半導体材料となるSiC(炭化ケイ素)を結晶生成する黒鉛ルツボ(以下、ルツボ)の劣化を抑制する、炭化タンタルの厚膜コーティング技術「SinTaC」を発表した。ルツボが再使用でき、環境負荷の低減への貢献が期待される。
SiCの製造は、高価なルツボで目的の場所に単結晶を生成、成長させるが、ルツボは2000℃以上の高温に加熱されることに加え、発生するガスで腐食し劣化する。さらに、SiC結晶が内面に固着するため、一度の使用で廃棄されていた。
今回、SinTaCの厚膜コーティングをルツボ全体に施した。炭化タンタルのコーティングは、ルツボの加熱時に膜厚が薄いとひび割れが生じる場合があるため、均質な厚膜形成が必要となる。そこでスラリー材料設計により、炭化タンタルの均質かつ厚膜化を実現する最適な条件を見出し、コーティング技術(SinTaC)として採用した。SinTaCの厚膜コーティングに表面粗さを低減する処理を追加すると、目的の場所以外へのSiCの固着を抑えられる。
この結果、耐腐食性が向上した。さらに、ルツボの内面への追加処理により、SiCが付着しても剥がれやすくなる(固着を抑制する)効果を確認した。これらによりルツボの再使用が可能となり、SiC製造コストに加え、環境負荷低減への貢献が期待される。
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