アメリカ全土にわたる天然水素の蓄積地域を記した地図が公開される

アメリカ地質調査所(USGS)は2025年1月16日、天然水素の埋蔵量が多い可能性のある場所を示した、国内全土にわたる大規模な地図を発表した。この地図は、USGSの研究チームが2024年12月13日の「Science Advances」誌に発表した先行研究に基づくものだという。

何十年もの間、自然界に存在する水素は、エネルギーとして利用できるほどの量は蓄積されていないというのが常識だった。しかし、USGSの調査によると、世界の地表下に眠る未開発の天然水素は6兆2000億トンに達するという。

発表された未開発水素量のわずか2%で、理論的には200年間、炭素を含まない燃料が世界に供給できる。回収可能な水素のエネルギー量は、地球上で確認されている天然ガスのエネルギー量のおよそ2倍に相当する。

研究チームは、水素源と貯留岩、ガスを封じ込めるシールなど、水素の蓄積に理想的な条件を評価して天然水素の存在する可能性の高い場所を特定する方法を開発し、アメリカの48州に適用した。その結果、カンザス州とアイオワ州、ミネソタ州、ミシガン州を含む大陸中央部やアリゾナ州とコロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州のフォーコーナーズ、カリフォルニア州沿岸部、東部海岸沿いなどで、天然水素が蓄積している可能性を示した。

同調査は天然水素の利用可能性を示した最初のステップであり、今後、持続可能エネルギーの利用に向けた、さらなる調査が期待される。

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