- 2025-3-25
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- Brain Medicine, Nature Medicine, オタワ大学, スプーン, ナノプラスチック(MNP), マイクロプラスチック, 人間, 免疫細胞, 脳, 血液脳関門, 血管壁, 認知症

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人間の脳にはスプーン約1杯分のマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)が蓄積されており、特に認知症患者ではMNPの濃度が3~5倍高いとの研究結果が、2025年2月に学術ジャーナル「Nature Medicine」で報告された。同研究によると、脳には肝臓や腎臓の7~30倍の濃度のMNPが蓄積されているという。
この研究結果について、オタワ大学のNicholas Fabiano博士らが医療研究ジャーナル「Brain Medicine」に解説記事を寄稿し、同氏は「2016~2024年までの8年間で、人間の脳内に蓄積されたマイクロプラスチックの量が大きく増えたことには、注意を要する」と懸念を示した。
さらに、主にポリエチレンで構成される200ナノメートル以下の小さな粒子は、脳の血管壁や免疫細胞に顕著に沈着していることが確認された。このサイズは血液脳関門を通過する可能性があり、神経疾患への悪影響が危惧されるという。
この解説記事では、ペットボトル入りの水から水道水に切り替えるだけで、さらされるマイクロプラスチックの量を90%減らす効果があるなど、MNPの摂取量を減らすように呼びかけている。