- 2025-2-18
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- Aptima, Drexel大学, fNIRS(機能的近赤外分光法), fORE(fNIRS Operational Readiness Estimation:運用即応性推定), Makel Engineering, MAVERICプロトタイプ, VigiLife, モニタリングシステム, 神経認知技術, 米国防衛衛生庁(DHA)
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人間のパフォーマンスを最適化する技術を開発する米Aptimaは2025年1月13日、神経認知技術によるモニタリングシステム「fORE(fNIRS Operational Readiness Estimation:運用即応性推定)」の開発契約を、米国防保健局(DHA)から獲得したと発表した。
同システムの目的は、パイロットや乗務員の即応性の評価だ。独自の画像処理技術「fNIRS(機能的近赤外分光法)」を使用し、脳の活動を非侵襲的にモニタリングする。fNIRSセンサーは薄型かつ頑丈で、ヘルメットの下に違和感なく装着できる。
現在の軍事環境の課題には、認知疲労、ストレス、過負荷のリスクがある。従来、このような状況を把握する手段は、主観的な評価や自己申告に頼っていた。fOREシステムは、心拍数、呼吸数、血中酸素濃度などのデータを収集して、脳の認知機能を科学的に評価する。
fOREの分析システムは、実際の運用環境を考慮し、動作や発汗によるノイズを補正して信頼性を高めたデータを提供する。また、これらの情報を、機内または地上での意思決定支援システムを通じて、直感的に理解できる形で利用者に提示する。
同システムは、指揮官による飛行前の乗務員の即応性評価や、飛行中のミッション再計画にも活用できる。さらに、訓練環境では、訓練生の作業負荷に基づいてシナリオを適応的に調整することで、より効率的な訓練プログラムを構成できる。
開発チームにはfNIRSの専門家であるドレクセル大学のKurtulus Izzetoglu氏、MAVERICプロトタイプの設計を担当する米Makel Engineering、そして商用市場向けに製品化を担当するAptimaのスピンオフ企業、米VigiLifeが参加している。