パイロットの認知能力を近赤外分光法でモニタリングするシステム「fORE」

人間のパフォーマンスを最適化する技術を開発する米Aptimaは2025年1月13日、神経認知技術によるモニタリングシステム「fORE(fNIRS Operational Readiness Estimation:運用即応性推定)」の開発契約を、米国防保健局(DHA)から獲得したと発表した。

同システムの目的は、パイロットや乗務員の即応性の評価だ。独自の画像処理技術「fNIRS(機能的近赤外分光法)」を使用し、脳の活動を非侵襲的にモニタリングする。fNIRSセンサーは薄型かつ頑丈で、ヘルメットの下に違和感なく装着できる。

現在の軍事環境の課題には、認知疲労、ストレス、過負荷のリスクがある。従来、このような状況を把握する手段は、主観的な評価や自己申告に頼っていた。fOREシステムは、心拍数、呼吸数、血中酸素濃度などのデータを収集して、脳の認知機能を科学的に評価する。

fOREの分析システムは、実際の運用環境を考慮し、動作や発汗によるノイズを補正して信頼性を高めたデータを提供する。また、これらの情報を、機内または地上での意思決定支援システムを通じて、直感的に理解できる形で利用者に提示する。

同システムは、指揮官による飛行前の乗務員の即応性評価や、飛行中のミッション再計画にも活用できる。さらに、訓練環境では、訓練生の作業負荷に基づいてシナリオを適応的に調整することで、より効率的な訓練プログラムを構成できる。

開発チームにはfNIRSの専門家であるドレクセル大学のKurtulus Izzetoglu氏、MAVERICプロトタイプの設計を担当する米Makel Engineering、そして商用市場向けに製品化を担当するAptimaのスピンオフ企業、米VigiLifeが参加している。

関連情報

Aptima Awarded Defense Health Agency Contract for Neuro-cognitive Monitoring for Military Aviation Readiness – Aptima

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