サーボモーターとは? 原理や構造、種類について紹介

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サーボモーター(Servomotor)は、高速/精密な制御を行うために欠かせない構成要素です。そのため、動かして満足するだけではなく、サーボモーターとはどのようなものなのか、原理や構造、種類、メリットやデメリットなどを、十分に理解することが大切です。こうしたことを理解することで、サーボモーターの活用が可能となります。

サーボモーターとは

サーボモーターとは、指示を出した通りに、位置/速度/回転力(トルク)などを正確に実現するサーボ機構に使用されるモーターのことです。そのため、サーボモーターとしての能力を発揮するためには、モーター以外に状態を検出する機器や、精密な制御する装置が必要となります。その分、ただ回転するだけの単純なモーターよりも、構成や制御が複雑となってしまいます。昔は、このような技術を実現するのに大変な苦労が伴いましたが、マイクロコンピューターなどの高度な技術が普及するようになり、思い通りの動作をさせることができるようになっています。

指示通りに動作するのは当たり前だと思われるかもしれませんが、仕様やコストなどを考慮して、モーターにあまり精密な動作が要求されないことも多いのです。家庭で使う電動ドライバーや簡単な玩具などは、一定の回転数さえ維持できれば大きな問題とならないことがほとんどです。

しかし、サーボモーターが使われるような時は、高速で精密な制御ができないと、装置の性能が条件を満たすことができず、本来の目的を達成できません。微細加工を行う半導体/液晶製造装置や複雑な動作をする産業用ロボットなどは、わずかなズレがあっただけ作業全てが台無しになってしまうので、サーボモーターの高精度な動作が必要になるのです。

ちなみに、サーボモーターのサーボは、ラテン語の「奴隷」を意味する言葉に由来します。まさに、指示通り忠実に動いてくれるモーターとして、サーボモーターは現代社会に欠かすことのできないものとなっています。希望する位置や速度や回転力を高精度で実現するサーボモーターは、高度な技術を結集したモーターなのです。

サーボモーターの原理や構造

サーボモーターは、モーターに加えて、コントローラー、ドライバー、エンコーダ(回転検出器)で構成されます。

プログラムに従ってコントローラーがドライバーに指示を出し、その指示通りにドライバーがモーターを動かします。その後、モーターの動作状況をエンコーダが検出して、情報をドライバー経由でコントローラーに送ります。この動作状況が、指示した通りであるのかを確認し、誤差が生じているようであれば、再びコントローラーからドライバーを経てモーターに対して制御命令が出される仕組みとなっています。この一連の動作が、目標とする動作に一致するまで繰り返されるため、精度の高い制御が実現できるのです。

エンコーダから得られるモーターの動作に関する状況が極めて重要になりますが、この信号は「フィードバック信号」と呼ばれます。そして、フィードバック信号がドライバー側に戻され、閉じられたループを構成することから、「クローズドループ制御」と命名されています。クローズドループ制御が、サーボモーターのポイントとなる技術です。

さらに、この高精度の制御を実現するためには、起動と停止を繰り返し行っても問題なく正確に動くように、モーター自体も高性能である必要があります。

ACサーボモーターの場合は、シャフトを中心とする永久磁石の周囲を、コアとなる鉄心の周りに電線を巻き付けた固定子が取り囲むのが、一般的な構造です。固定子の電線に電流が流されると、永久磁石が回転してモーターとしての機能を果たすことになります。電線を巻く技術などが進歩したことによって、モーター全体の小型化が可能となり、慣性が小さくなることで回転の制御が容易となりました。使用される部品も、高精度/高耐久性を持ったものが使われることで、長期間安定した動作が可能となっています。

光センサーとスリットを刻んだ円盤を組み合わせたエンコーダが固定子に付けられて、モーターが回転した時の位置や速度を検出します。

これらのサーボモーターを構成する要素は、メーカーが一式セットにして、すぐに利用できる状態にしていることがほとんどです。

サーボモーターとステッピングモーターの違い

サーボモーターの特徴は、ステッピングモーターと比較するとより明確に理解できます。

ステッピングモーターも産業機器などの制御に使われることがありますが、サーボモーターのように回転位置を検知して、修正できない点が大きな違いです。ステッピングモーターを動作させる時は、プログラムなどを使ってコントローラーに指示を出し、コントローラーからの信号を受けたドライバーがモーターを動かします。ここまではサーボモーターと同じですが、サーボモーターと違って エンコーダがないために、指示した通りに動いていなくても即座に修正できません。ステッピングモーターの場合は、モーターへの指示を細かく設定してやることしかできないのです。

その点、サーボモーターは、常にエンコーダで動作状況を知ることができるので高精度な制御が可能となり、想定していなかった異常な状態に陥っても対応できます。

また、一般的にサーボモーターは低速から高速まで、どのような速度で運転しても安定したトルクを維持できるように設計されています。一方、ステッピングモーターは、高速で動作させるとトルクが減少する傾向があるため、低速での動作に向いています。

このように、サーボモーターの方が高性能ではありますが価格が高いため、高い精度が求められない場合には、安価な製品も販売されているステッピングモーターの利用も検討するべきでしょう。

サーボモーターの歴史

昔は工場で使われる設備には、主に油圧や空気圧が用いられていました。その当時は高い精度も要求されなかったために、それでも十分役に立つ状況だったのです。しかし、段々と精度の高い制御や長時間安定して動作させる能力が必要となって、油圧や空気圧では物足りないようになりました。他の分野ではモーターも使われていましたが、まだ工場での使用に耐えうるものではなかったのです。

1950年前後になると、工場で使用できるレベルのサーボモーターが登場し、少しずつ工場で使われるようにます。そうして、サーボモーターが普及するにつれて、より性能が高くて使いやすいサーボモーターが多数販売されると、次第に油圧や空気圧に取って代わるものとなっていきました。

1980年以降になると、サーボモーターに関する技術革新がさらに進み、サーボモーターなくしては生産できない製品も出てくるようになります。特に小型/軽量化が必須の条件となる設備などにとっては、サーボモーターが必要不可欠となっています。

サーボモーターの種類

サーボモーターは、DC(直流)で駆動するDCサーボモーターと、AC(交流)で駆動するACサーボモーターに大別できます。

DCサーボモーターは、制御するのが比較的容易で、コンパクトな形状なのが特徴です。初めはDCサーボモーターしか使われていませんでしたが、各種技術が発展したことによって、ACサーボモーターも製品化されました。

ACサーボモーターは、DCサーボモーターよりも高度な制御が必要になり、構造自体も複雑です。しかし、
巻線を高密度化したり絶縁する技術などの進歩によって、現在はACサーボモーターがサーボモーターの主流となっています。小型化も可能となり、数多くの分野で使用されるようになりました。ACサーボモーターが使われるに従って、DCサーボモーターが使われる機会は減ってきています。

ACサーボモーターは、さらに永久磁石の有無によって同期型と誘導型に分類できます。永久磁石を使うのが同期型で、使わないのが誘導型です。永久磁石を使う同期型の方が普及していますが、出力が増えるに従って使用する永久磁石も増えるため、出力が10kW以上になると誘導型を使うことが多くなる傾向にあります。

サーボモーターのメリット・デメリット

サーボモーターの最大のメリットは、位置や速度を正確に制御できることです。外的な要因によって動作にズレが生じても、エンコーダによって詳細な情報がフィードバックされるので、即座に修正できます。さらに、円滑性/高速動作/急激な変動への対応力などにも優れているのが特徴です。

デメリットは、正確な動作をさせるための制御や機構が複雑となるので、各種コストがかかってしまうことです。また、一般的には高圧電源が必要とされることが多く、急激なトルク変動が発生した時に修正するまで時間的な遅れが起きることもあります。

サーボモーターの用途

サーボモーターは高度な制御が可能で、他のモーターよりも高価となるため、主に産業用として用いられます。高精度の制御が求められる、工作機械、半導体・液晶製造装置、電子部品の実装機、産業用ロボット、射出成型機などが代表例ですが、ほとんどの産業で利用されていると言っても過言ではないでしょう。

具体的には、ロボットの関節、半導体装置用のXYテーブル、自動ドアの開閉機構などに使われていることも有名です。医療に関する機器や高度なアミューズメント機器などにも用いられ、サーボモーターならではの性能を発揮しています。

調査会社のグローバルインフォメーションが2020年6月に発表したレポート「サーボモーターおよびドライブ市場 – 提供品目(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)、製品種、システム、定格電圧、通信プロトコル、制動技術、構造素材、利用業種、地域別:2025年までの世界市場予測」によると、サーボモーターとドライブ市場は、2020年の139億ドルから2025年には168億ドルに到達する見通しです。工場の自動化、モーター効率の国際標準の採用、モーターおよびドライブ用のモーションコントロールライブラリおよびパッケージの開発、自動車の生産量の増加などが市場拡大に寄与すると見られています。

日本メーカーでサーボモーターを手掛けているのは、オムロン、パナソニック、富士電機、三菱電機、安川電機などです。今後さらに、サーボモーターの性能を活用した画期的な製品が登場することが期待されています。

まとめ

生活に欠かせない部品となったモーターは、世界中のあらゆる場所で活躍しています。世界で消費される半分近くの電力が、モーターによって消費されているとも言われています。そのような重要な部品であるモーターの中でも、サーボモーターの重要性が高まっているので、その特徴を詳しく把握して、性能を十分に発揮できるように努めることが大切です。製品ごとに詳細な点は異なるものの、サーボモーターの基本的な部分を理解しておけば、どのような製品を使う時でも役に立ちます。

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